貫とは、つらぬく/一筋にやりとおすなどの意味をもつ漢字。11画の画数をもち、貝部に分類される。日本では常用漢字に定められており、中学校卒業レベルの漢字とされる。
字体 | 貫 | |
---|---|---|
読み | 音読み | カン 《外》ワン |
訓読み | つらぬ(く) 《外》ぬ(く) 《外》ぬき 《外》ひ(く) |
|
部首 | 貝部 | |
画数 | 総画数 | 11画 |
部首内画数 | 貝部4画 | |
国語施策 | 常用漢字 | |
JIS漢字水準 | JIS第1水準 | |
漢字検定 | 漢検3級 | |
日本語能力検定 | JLPT N1 |
目次
書き方・読み方
書き方
読み方
『貫』の字には少なくとも、貫・ 貫・ 貫く・ 貫・ 貫く・ 貫くの6種の読み方が存在する。
意味
- つらぬく。一筋にやりとおす。「貫通・貫徹・貫流・一貫・突貫・縦貫」
- 本籍。戸籍。にんべつ。「貫籍・郷貫・本貫」
- 習わし。慣れる。類義語:慣「旧貫」
- 俸禄の単位。鎌倉時代以後において10石に値する。
- 《三貨》貨幣の単位。江戸時代において銀1000匁、銭1000文に値する。
- 《尺貫法》重量の単位。1000匁に値する。約3.75kg。
- 貫【ぬき】
-
- [建]和様建築で、垂直の柱・束柱(ツカバシラ)などを水平に貫(ツラヌ)いて繋(ツナ)ぎ合せる材。
柱の貫穴(ヌキアナ)に貫を通し、穴の上部の隙間に楔(クサビ)を打ち込んで固定する。
その位置により地貫(ジヌキ)・下貫(シモヌキ)、胴貫(ドウヌキ)・腰貫(コシヌキ)、内法貫(ウチノリヌキ)、樋貫/飛貫(ヒヌキ)、頭貫(カシラヌキ)など呼ぶ。
「貫木(ヌキギ)」とも呼ぶ。とおしぬき(通し貫)、かしらぬき(頭貫)。- 斜めの筋違いを用いずに建物を固定する構造法(貫構造)。
- [建]建築用材の一種。
に使用する、厚さ三分(9ミリメートル)、幅三寸(9センチメートル)くらいの、薄くて幅の狭い板。
大きさにより大貫・中貫・二寸貫などがある。
「貫木(ヌキギ)」とも呼ぶ。 - [建]和様建築で、垂直の柱・束柱(ツカバシラ)などを水平に貫(ツラヌ)いて繋(ツナ)ぎ合せる材。
貫の用法:三貨制度
三貨制度【さんかせいど】とは、江戸時代における三種の通貨(金・銀・銭)が流通した貨幣制度。金貨には小判・一分伴、銀貨には丁銀/小玉銀、銭貨には寛永通宝などが用いられた。
金・金貨 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 両 (りょう) |
分 (ぶ) |
朱 (しゅ) |
|||
単位 | 4分 | 4朱 | 1朱 | |||
銀・銀貨 | ||||||
名称 | 貫 (かん) |
匁 (もんめ) |
分 (ふん) |
|||
単位 | 1000匁 | 10分 | 1分 | |||
銭・銭貨 | ||||||
名称 | 貫文 (かんもん) |
文 (もん) |
||||
単位 | 1000文 | 1文 |
貫の用法:尺貫法(重量・質量)
尺貫法(重量・質量)【しゃっかんほう】とは、尺貫法(しゃっかんほう)は昔の日本で利用していた重量や質量の単位系。計量法により1958年に廃止された。
単位 | 単位変換 | SI変換 |
---|---|---|
貫 | 6.25斤 | 3.75キログラム |
斤 | 16両 | 600グラム |
両 | 10匁 | 37.5グラム |
匁/銭 | 10分 | 3.75グラム |
分 | 10厘 | 375ミリグラム |
厘 | 10毛 | 37.5ミリグラム |
毛/毫 | 1毛 | 3.75ミリグラム |
熟語
四字熟語
「貫」の漢字を語中にもつ四字熟語5種を表にまとめる。
血脈貫通 | 終始一貫 | 首尾一貫 |
初志貫徹 | 白虹貫日 |
貫【ぬき】
[建]和様建築で、垂直の柱・束柱(ツカバシラ)などを水平に貫(ツラヌ)いて繋(ツナ)ぎ合せる材。
柱の貫穴(ヌキアナ)に貫を通し、穴の上部の隙間に楔(クサビ)を打ち込んで固定する。
その位置により地貫(ジヌキ)・下貫(シモヌキ)、胴貫(ドウヌキ)・腰貫(コシヌキ)、内法貫(ウチノリヌキ)、樋貫/飛貫(ヒヌキ)、頭貫(カシラヌキ)など呼ぶ。
貫木【ぬきぎ】
[建]ぬき(貫)
。
糸貫【いとぬき】
[Romaji]Itonuki
いとぬきちょう(糸貫町)
[交]いとぬきえき(糸貫駅)
。
柱貫【はしらぬき】
[Romaji]hashiranuki/hashira-nuki
[建]頭貫(カシラヌキ)の別称。かしらぬき(頭貫)
。
糸貫駅【いとぬきえき】
[交]岐阜県本巣市(モトスシ)にある、樽見鉄道の駅。
北方真桑(キタガタマクワ)駅と本巣駅の間。
旧住所は本巣郡(モトスグン)糸貫町(イトヌキチョウ)。
文字コード
「貫」の漢字をコンピュータで取り扱うために策定された各文字規格を紹介する
Unicode 1 | U+8CAB |
---|---|
JISX0213 | 1-20-51 |
戸籍統一文字番号 2 | 416020 |
住基ネット統一文字 | J+8CAB |
文字ごとに採番された各種コードは、互いに異なる識別番号を持ち、管轄業務を担う省庁/団体/組織によって各用途ごとに管理されている。
検字番号
検字番号とは、各出版社が刊行した漢字辞典/漢和辞典に記載されている検索字を効率よく探すための識別コードである。
書籍 | 出版社 | 検字番号 |
---|---|---|
角川大字源3 | 角川書店 | 9630 |
新大字典4 | 講談社 | 16266 |
新潮日本語漢字辞典5 | 新潮社 | |
大漢和辞典6 7 | 大修館書店 | 36681 |
大漢語林8 | 大修館書店 |
辞書の巻頭や巻末、別巻などに記載された検字番号を用いることで、漢字の掲載ページ・掲載位置を容易に特定することができる。
国語施策
まとめ
「貫」の画数・部首・書き順・読み方・意味について、もう一度おさらいする。
- 貫の画数 :11画
- 貫の部首 : 貝
- 貫の読み方:ワン・カン・ひく・ぬき・ぬく・つらぬく
- 貫の意味 :つらぬく/一筋にやりとおす
ウサタロー