金とは、かなもの/銀や銅などの金属鉱物の総称/金属の鉄/金属製の器具などの意味をもつ漢字。8画の画数をもち、金部に分類される。日本では教育漢字、常用漢字に定められており、小学校1年生修了レベルの漢字とされる。
字体 | 金 | |
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読み | 音読み | キン コン 《外》ゴン |
訓読み | かな かね 《外》こがね |
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部首 | 金部 | |
画数 | 総画数 | 8画 |
部首内画数 | 金部0画 | |
国語施策 | 教育漢字・常用漢字 | |
JIS漢字水準 | JIS第1水準 | |
漢字検定 | 漢検10級 | |
日本語能力検定 | JLPT N5 |
目次
書き方・読み方
書き方
読み方
『金』の字には少なくとも、金・ 金・ 金・ 金・ 金・ 金の6種の読み方が存在する。
意味
- かなもの。銀や銅などの金属鉱物の総称。金属の鉄。金属製の器具。「金属・金石・金鉄・金工・金瘡(きんそう)・合金・鋳金・板金・金網・金具・金棒」
- きん。黄金。黄色に輝く貴金属。「金印・金貨・金塊・金銀・金鵄(きんし)・金銅・金泥・金歯・金箔・金髪・金粉・金色(こんじき)・砂金・純金・白金・黄金(おうごん)・金銀瑠璃」
- 立派な。美しい。煌びやか。希少な。堅固な。値打ちあるもの。「金言・金堂・金剛・金看板・金枝玉葉・金殿玉楼・金城湯池」
- 通貨。おかね。銭。「金額・金銭・金融・金利・貯金・換金・献金・現金・残金・資金・借金・賞金・税金・千金・送金・大金・代金・貯金・罰金・募金・料金・金一封」
- 黄金の純度を示す単位。二十四金が純金100%となる。「十八金・二十四金」
- 金メダルの略称。「金銀独占」
- 睾丸。「金玉」
- 中国の王朝名の一つ。初代皇帝は太祖。首都は会寧。金朝。
- 将棋の駒の一つ。「金将・棒金」
- 八音の一つ。
- 七曜の一つ。金曜。「月水金」
- ごん。五行の第四位。十干の庚と辛、方位の西、季節の秋、色の白に配する。
- 金【きん】
-
- 金属の総称。
- 英語:メタル(metal)。
- [化]金属元素の一つ。元素記号は「Au」。
普通の酸には溶解しないが、王水(オウスイ)には溶解する。おうすい(王水)。- 英語:ゴールド(gold)。
- ドイツ語:ゴルト(Gold)。
- フランス語:オー(or)。
- スペイン語:オロ(oro)。
- ポルトガル語:オウル(ouro)。
- ラテン語:オーラム(aurum)。
- 中国語:金(jin)/黄金(huangjin)。
接頭辞は「クリソ(chryso-、chrys-)」。- 検出剤:参照ふぇのーるふたれいん(フェノール・フタレイン)微量をガラスに混入すると赤く発色する。
- 愚か者の金(fool’sgold):黄鉄鉱(オウテッコウ)や黄銅鉱の別称。
- 金【かね】
-
- 金属の総称。金・銀・鉄・銅など。
「メタル([英語]metal)」とも呼ぶ。- こがね(黄金):金(キン)。
- しろがね(白銀):銀。
- あかがね(銅):銅。
- くろがね(鉄):鉄。
- あおきん(青金):金銀合金。
- せいきん(青金):鉛。
- 特に、鉄。
- 金属製品・金具。
- 金銭・おかね(お金)。
「おあし(御足、御銭)」、「マネー([英語]money)」とも呼ぶ。- 金は天下の回り物:かねはてんかのまわりもの(金は天下の回り物)
- 財産。
- 金持ち
- 金属の総称。金・銀・鉄・銅など。
- 金【きん】
-
[中国語]Jin
- [歴]きんちょう(金朝)
金の用法:宋王朝 – 現代(中国王朝)
宋王朝 – 現代(中国王朝)【そうおうちょう – げんだい】とは、近代における中国王朝の歴史。
近世に繁栄した王朝として元・明・清はまとめて「近世三代」と呼ばれる。
清王朝を最後に中国における統一王朝は無くなり、民主共和制国家を経て、現在のような主権国家となった。
宋朝・宋王朝 (960年 – 1279年) | |||||
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宋 | 遼 | 夏 (西夏) |
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金 | |||||
元朝・元王朝 (1271年 – 1368年) | |||||
元 (大元/元朝) |
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明朝・明王朝 (1368年 – 1644年) | 元 (北元) |
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明 | 金 (後金) |
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清朝・清王朝 (1616年 – 1912年) | |||||
清 | |||||
1912年 – 1949年 | |||||
中華民国 | |||||
1949年 – | |||||
中華人民共和国 |
金の用法:五味
五味【ごみ】とは、中国における五つの味。舌で感じる食べ物の味の種類。五行に通ずる。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
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五味 | 酸 | 苦 | 甘 | 辛 | 鹹 |
意味 | 酸味 | 苦味 | 甘味 | 辛味 | 塩味 |
金の用法:五経
五経【ごけい】とは、《中国》儒教において重要視される五種の経典資料。失われたとされる音楽経典の「楽」を含めた場合には六経(りっけい)とされる。五行に通ずる。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
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五経 | 詩 (詩経) |
礼 (士礼/礼記) |
春秋 | 書 | 易 |
内容 | 漢詩 | 作法 | 歴史 | 政治史 | 占術 |
金の用法:八音
八音【はちおん】とは、中国古来における楽器の種別。素材を基に体系づけられており、全ての楽器は八種の素材から成ると考えられてきた。
八音 | 素材 | 楽器 |
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金 | 金属 | 銅鑼(ドラ)・鈴 |
石 | 石 | 石琴・編磬 |
糸 | 絹糸 | 琴・箏 |
竹 | 竹 | 竹笛・洞簫 |
匏 | 瓜・ひょうたん | 笙・竽(ウ) |
土 | 土・陶器 | 土笛・塤(シュン) |
革 | 動物の皮・革 | 鼓・建鼓 |
木 | 木 | 木琴・拍板 |
金の用法:五方
五方【ごほう】とは、五つの方角。東西南北の方位に中央が加わる。五行に通ずる。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
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五方 | 東 | 南 | 中央(央) | 西 | 北 |
金の用法:五徳
五徳【ごとく】とは、儒教で重要視される道徳意識。「仁義礼智信」とも。五徳を持つことで人間関係を円滑化できるという教え。日本の飛鳥時代に制定された冠位十二階(徳・仁・礼・信・義・智)に影響を与えたとされる。五常とも。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
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五徳 | 仁 | 礼 | 信 | 義 | 智 |
金の用法:五臓六腑
五臓六腑【ごぞうろっぷ】とは、人間の内臓の総称。東洋医学を基に分類した人体の働きや機能。六腑の三焦を除外して「五腑」とする場合もある。五行に通ずる。
五行 | 五臓 | 六腑 |
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木 | 肝 (肝臓) |
膽 (胆嚢) |
火 (君火) |
心 (心臓) |
小腸 |
土 | 脾 (脾臓) |
胃 |
金 | 肺 | 大腸 |
水 | 腎 (腎臓) |
膀胱 |
火 (相火) |
《心包》 | 三焦 |
金の用法:将棋駒
将棋駒【しょうぎこま】とは、本将棋(九x九のマスで遊ぶ二人用ボードゲーム)で扱う駒の名称。
駒名 | 略称 | 成駒 |
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王将(おうしょう) 玉将(ぎょくしょう) |
王・玉 | なし |
飛車(ひしゃ) | 飛 | 竜(龍) |
角行(かくぎょう) | 角 | 馬 |
金将(きんしょう) | 金 | なし |
銀将(ぎんしょう) | 銀 | 全(金と同じ) |
桂馬(けいま) | 桂 | 圭(金と同じ) |
香車(きょうしゃ) | 香 | 杏(金と同じ) |
歩兵(ふひょう) | 歩 | 今・と(金と同じ) |
金の用法:三貨制度
三貨制度【さんかせいど】とは、江戸時代における三種の通貨(金・銀・銭)が流通した貨幣制度。金貨には小判・一分伴、銀貨には丁銀/小玉銀、銭貨には寛永通宝などが用いられた。
金・金貨 | ||||||
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名称 | 両 (りょう) |
分 (ぶ) |
朱 (しゅ) |
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単位 | 4分 | 4朱 | 1朱 | |||
銀・銀貨 | ||||||
名称 | 貫 (かん) |
匁 (もんめ) |
分 (ふん) |
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単位 | 1000匁 | 10分 | 1分 | |||
銭・銭貨 | ||||||
名称 | 貫文 (かんもん) |
文 (もん) |
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単位 | 1000文 | 1文 |
金の用法:五官・五感
五官・五感【ごかん】とは、外界から受け取った刺激を感知するための五つの感覚器官、および五つの感覚意識。五行に通ずる。実生活における感覚から「舌」の代わりに「皮膚/皮」や「眉」、「心」を五官とする場合もある。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 | |
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五官 | 感覚器官 | 目 | 舌(身) | 口 | 鼻 | 耳 |
五感 | 感覚意識 | 視覚 | 触覚 | 味覚 | 嗅覚 | 聴覚 |
金の用法:五行
五行【ごぎょう】とは、古代中国の自然哲学の思想。万物は五種の素(元素)から成り立つという考え。人々の思想や生活に多大な影響を与えた。
五行 | 木行 | 火行 | 土行 | 金行 | 水行 |
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元素 | 木 モク |
火 カ |
土 ド |
金 ゴン |
水 スイ |
金の用法:五声・五聲
五声・五聲【ごせい】とは、古代中国の音楽で使われる五つの音の高さ/音階。現代では五音(ごいん・ごおん)としても用いられる。五行に通ずる。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
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五声 | 角 | 徴 | 宮 | 商 | 羽 |
金の用法:十干
十干【じっかん】とは、十二支と共に使われた古代中国の暦法。時代と共に陰陽五行思想と結びつき、角度・順序・方位も表すようになった。現代日本では契約書などで双方を表す際、「甲」「乙」と呼ぶことで使われている。十天干(じっかんてん)とも。
五行 | 陰陽 | |
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陽 | 陰 | |
木 | 甲 コウ きのえ |
乙 オツ きのと |
火 | 丙 ヘイ ひのえ |
丁 テイ ひのと |
土 | 戊 ボ つちのえ |
己 キ つちのと |
金 | 庚 コウ かのえ |
辛 シン かのと |
水 | 壬 ジン みずのえ |
癸 キ みずのと |
金の用法:七曜
七曜【しちよう】とは、太陽・月・五星から成る系を七曜星、それを暦の週日に配したものが七曜日。明治初期に太陽暦と共に「曜日」として日本に普及した。
七曜星 | 七曜日 | 略字 | |
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太陽 | 日曜 | 日 | |
月 | 月曜 | 月 | |
五星 | 火星 | 火曜 | 火 |
水星 | 水曜 | 水 | |
木星 | 木曜 | 木 | |
金星 | 金曜 | 金 | |
土星 | 土曜 | 土 |
熟語
四字熟語
「金」の漢字を語中にもつ四字熟語21種を表にまとめる。
一諾千金 | 一攫千金 | 一獲千金 |
一刻千金 | 一笑千金 | 一擲千金 |
一飯千金 | 黄金時代 | 金甌無欠 |
金科玉条 | 金枝玉葉 | 金声玉振 |
金泥精描 | 金殿玉楼 | 金波銀波 |
金襴緞子 | 金剛不壊 | 紺紙金泥 |
精金良玉 | 堆金積玉 | 端木辞金 |
金【きん】
[中国語]Jin
[歴]きんちょう(金朝)。
金【かね】
金属の総称。金・銀・鉄・銅など。
「メタル([英語]metal)」とも呼ぶ。
金【きん】
金属の総称。
英語:メタル(metal)。
[化]金属元素の一つ。
金武【きん】
[Romaji]Kin
[地]きんわん(金武湾)きんちょう(金武町)
。
金座【きんざ】
[歴]江戸幕府直轄の、金貨の鋳造・鑑定・発行所。
代々後藤家が幕府金改役を世襲し、別称は「後藤役所」。いっこくばし(一石橋)。
文字コード
「金」の漢字をコンピュータで取り扱うために策定された各文字規格を紹介する
Unicode 1 | U+91D1 |
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JISX0213 | 1-22-66 |
戸籍統一文字番号 2 | 455700 |
住基ネット統一文字 | J+91D1 |
文字ごとに採番された各種コードは、互いに異なる識別番号を持ち、管轄業務を担う省庁/団体/組織によって各用途ごとに管理されている。
検字番号
検字番号とは、各出版社が刊行した漢字辞典/漢和辞典に記載されている検索字を効率よく探すための識別コードである。
書籍 | 出版社 | 検字番号 |
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角川大字源3 | 角川書店 | 10486 |
新大字典4 | 講談社 | 17658 |
新潮日本語漢字辞典5 | 新潮社 | 13176 |
大漢和辞典6 7 | 大修館書店 | 40152 |
大漢語林8 | 大修館書店 | 11887 |
辞書の巻頭や巻末、別巻などに記載された検字番号を用いることで、漢字の掲載ページ・掲載位置を容易に特定することができる。
国語施策
第1学年の配当漢字として公示される。
第1学年の配当漢字として公示される。
第1学年の配当漢字として公示される。
まとめ
「金」の画数・部首・書き順・読み方・意味について、もう一度おさらいする。
- 金の画数 :8画
- 金の部首 : 金
- 金の読み方:ゴン・コン・キン・こがね・かね・かな
- 金の意味 :かなもの/銀や銅などの金属鉱物の総称/金属の鉄/金属製の器具
ウサタロー