火とは、ひ/ほのお/物が燃えるときの光と熱などの意味をもつ漢字。4画の画数をもち、火部に分類される。日本では教育漢字、常用漢字に定められており、小学校1年生修了レベルの漢字とされる。
字体 | 火 | |
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読み | 音読み | カ 《外》コ |
訓読み | ひ 《高》ほ |
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部首 | 火部 | |
画数 | 総画数 | 4画 |
部首内画数 | 火部0画 | |
国語施策 | 教育漢字・常用漢字 | |
JIS漢字水準 | JIS第1水準 | |
漢字検定 | 漢検10級 | |
日本語能力検定 | JLPT N5 |
目次
書き方・読み方
書き方
読み方
『火』の字には少なくとも、火・ 火・ 火・ 火の4種の読み方が存在する。
意味
- ひ。ほのお。物が燃えるときの光と熱。「火気・火山・火中・火勢・火炎・火燵(こたつ)・火傷(やけど)・水火・発火・石火」
- あかり。明かり。灯。「漁火(いさりび)・蛍火(ほたるび)・鬼火(おにび)・灯火・行火(あんか)」
- やく。物が燃える。燃やす。焼ける。「火田・火災・火難・火事・大火・失火・兵火」
- 燃えるような勢いが激しい感情。「情火・心火」
- いそぐ。さしせまる。「火急」
- 爆発によって物を破壊するもの。特に銃砲。「火兵・火器・火薬・鉄火」
- か。七曜の一つ。火曜日「火曜・月火水」
- 五行の第二位。十干の丙と丁、方位の南、季節の夏、色の赤に配する。
- 火【ひ】
-
- 可燃物の燃焼によって生ずる、炎(ホノオ)・発熱・発光の総称。
- 利用:暖房・加熱調理・照明・動物除(ヨ)けなど。
- 英語:ファイア(fire)/ファイヤ。
- 点火用具:参照ゆみぎり(弓錐)、まいぎり(舞錐)、ひうちいし(火打石、火打ち石、燧石)
火の用法:五味
五味【ごみ】とは、中国における五つの味。舌で感じる食べ物の味の種類。五行に通ずる。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
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五味 | 酸 | 苦 | 甘 | 辛 | 鹹 |
意味 | 酸味 | 苦味 | 甘味 | 辛味 | 塩味 |
火の用法:五経
五経【ごけい】とは、《中国》儒教において重要視される五種の経典資料。失われたとされる音楽経典の「楽」を含めた場合には六経(りっけい)とされる。五行に通ずる。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
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五経 | 詩 (詩経) |
礼 (士礼/礼記) |
春秋 | 書 | 易 |
内容 | 漢詩 | 作法 | 歴史 | 政治史 | 占術 |
火の用法:五方
五方【ごほう】とは、五つの方角。東西南北の方位に中央が加わる。五行に通ずる。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
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五方 | 東 | 南 | 中央(央) | 西 | 北 |
火の用法:五徳
五徳【ごとく】とは、儒教で重要視される道徳意識。「仁義礼智信」とも。五徳を持つことで人間関係を円滑化できるという教え。日本の飛鳥時代に制定された冠位十二階(徳・仁・礼・信・義・智)に影響を与えたとされる。五常とも。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
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五徳 | 仁 | 礼 | 信 | 義 | 智 |
火の用法:五臓六腑
五臓六腑【ごぞうろっぷ】とは、人間の内臓の総称。東洋医学を基に分類した人体の働きや機能。六腑の三焦を除外して「五腑」とする場合もある。五行に通ずる。
五行 | 五臓 | 六腑 |
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木 | 肝 (肝臓) |
膽 (胆嚢) |
火 (君火) |
心 (心臓) |
小腸 |
土 | 脾 (脾臓) |
胃 |
金 | 肺 | 大腸 |
水 | 腎 (腎臓) |
膀胱 |
火 (相火) |
《心包》 | 三焦 |
火の用法:五官・五感
五官・五感【ごかん】とは、外界から受け取った刺激を感知するための五つの感覚器官、および五つの感覚意識。五行に通ずる。実生活における感覚から「舌」の代わりに「皮膚/皮」や「眉」、「心」を五官とする場合もある。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 | |
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五官 | 感覚器官 | 目 | 舌(身) | 口 | 鼻 | 耳 |
五感 | 感覚意識 | 視覚 | 触覚 | 味覚 | 嗅覚 | 聴覚 |
火の用法:五行
五行【ごぎょう】とは、古代中国の自然哲学の思想。万物は五種の素(元素)から成り立つという考え。人々の思想や生活に多大な影響を与えた。
五行 | 木行 | 火行 | 土行 | 金行 | 水行 |
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元素 | 木 モク |
火 カ |
土 ド |
金 ゴン |
水 スイ |
火の用法:五声・五聲
五声・五聲【ごせい】とは、古代中国の音楽で使われる五つの音の高さ/音階。現代では五音(ごいん・ごおん)としても用いられる。五行に通ずる。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
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五声 | 角 | 徴 | 宮 | 商 | 羽 |
火の用法:八卦
八卦【はっけ】とは、古代中国占術の易で自然現象を表す基本図像。三つの爻から成り、二対の八卦で六十四卦を成す。小成卦とも。
図像 | ☰ | ☱ | ☲ | ☳ | ☴ | ☵ | ☶ | ☷ |
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卦名 | 乾 けん |
兌 だ |
離 り |
震 しん |
巽 そん |
坎 かん |
艮 ごん |
坤 こん |
正象 | 天 | 沢 | 火 | 雷 | 風 | 水 | 山 | 地 |
火の用法:十干
十干【じっかん】とは、十二支と共に使われた古代中国の暦法。時代と共に陰陽五行思想と結びつき、角度・順序・方位も表すようになった。現代日本では契約書などで双方を表す際、「甲」「乙」と呼ぶことで使われている。十天干(じっかんてん)とも。
五行 | 陰陽 | |
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陽 | 陰 | |
木 | 甲 コウ きのえ |
乙 オツ きのと |
火 | 丙 ヘイ ひのえ |
丁 テイ ひのと |
土 | 戊 ボ つちのえ |
己 キ つちのと |
金 | 庚 コウ かのえ |
辛 シン かのと |
水 | 壬 ジン みずのえ |
癸 キ みずのと |
火の用法:七曜
七曜【しちよう】とは、太陽・月・五星から成る系を七曜星、それを暦の週日に配したものが七曜日。明治初期に太陽暦と共に「曜日」として日本に普及した。
七曜星 | 七曜日 | 略字 | |
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太陽 | 日曜 | 日 | |
月 | 月曜 | 月 | |
五星 | 火星 | 火曜 | 火 |
水星 | 水曜 | 水 | |
木星 | 木曜 | 木 | |
金星 | 金曜 | 金 | |
土星 | 土曜 | 土 |
熟語
四字熟語
「火」の漢字を語中にもつ四字熟語4種を表にまとめる。
活火激発 | 薪尽火滅 | 新涼灯火 |
風林火山 |
火【ひ】
可燃物の燃焼によって生ずる、炎(ホノオ)・発熱・発光の総称。
利用:暖房・加熱調理・照明・動物除(ヨ)けなど。
英語:ファイア(fire)/ファイヤ。
火屋【ほや】
ほや(火屋、火舎)
火葬場の別称。
かそうば(火葬場)
。
火屋【ひや】
火葬場の別称。
かそうば(火葬場)
ひや(火屋、忌屋)
。
門火【かどび】
あとび(後火、跡火)
。
赤火【あかび】
あかふじょう(赤不浄)
。
文字コード
「火」の漢字をコンピュータで取り扱うために策定された各文字規格を紹介する
Unicode 1 | U+706B |
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JISX0213 | 1-18-48 |
戸籍統一文字番号 2 | 212430 |
住基ネット統一文字 | J+706B |
文字ごとに採番された各種コードは、互いに異なる識別番号を持ち、管轄業務を担う省庁/団体/組織によって各用途ごとに管理されている。
検字番号
検字番号とは、各出版社が刊行した漢字辞典/漢和辞典に記載されている検索字を効率よく探すための識別コードである。
書籍 | 出版社 | 検字番号 |
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角川大字源3 | 角川書店 | 5407 |
新大字典4 | 講談社 | 9134 |
新潮日本語漢字辞典5 | 新潮社 | 6559 |
大漢和辞典6 7 | 大修館書店 | 18850 |
大漢語林8 | 大修館書店 | 6438 |
辞書の巻頭や巻末、別巻などに記載された検字番号を用いることで、漢字の掲載ページ・掲載位置を容易に特定することができる。
国語施策
第1学年の配当漢字として公示される。
第1学年の配当漢字として公示される。
第1学年の配当漢字として公示される。
まとめ
「火」の画数・部首・書き順・読み方・意味について、もう一度おさらいする。
- 火の画数 :4画
- 火の部首 : 火
- 火の読み方:コ・カ・ほ・ひ
- 火の意味 :ひ/ほのお/物が燃えるときの光と熱
ウサタロー