木とは、き/立木の総称などの意味をもつ漢字。4画の画数をもち、木部に分類される。日本では教育漢字、常用漢字に定められており、小学校1年生修了レベルの漢字とされる。
字体 | 木 | |
---|---|---|
読み | 音読み | ボク モク |
訓読み | き こ |
|
部首 | 木部 | |
画数 | 総画数 | 4画 |
部首内画数 | 木部0画 | |
国語施策 | 教育漢字・常用漢字 | |
JIS漢字水準 | JIS第1水準 | |
漢字検定 | 漢検10級 | |
日本語能力検定 | JLPT N5 |
目次
書き方・読み方
書き方
読み方
『木』の字には少なくとも、木・ 木・ 木・ 木の4種の読み方が存在する。
意味
- き。立木の総称。「木石・大木・喬木・灌木(かんぼく)・高木・低木・巨木・名木・古木・神木・伐木・枯木・草木・樹木・木食・木犀(もくせい)・木蓮・風倒木」
- 切り出した木材。材木。用材。「木剣・木刀・木鐸(ぼくたく)・木履・珍木・香木・腐木・土木・肋木(ろくぼく)・材木・木材・木皮・木目・木質・木工・木彫・木像・木魚・木杯・木精・木製・木造・木馬・木棺・木版」」
- 飾り気がない。すなお。類義語:朴・樸「木訥(ぼくとつ)」
- 八音の一つ。
- 七曜の一つ。「木曜日」
- 五行の第一位。十干の甲と乙、方位の東、季節の春、色の青に配する。
- 木【もく】
-
- き(木・樹)。
- [暦]五行の第一。
方位では東、四季では春、色では青、五星では木星に当てる。
十干(ジッカン)では甲(キノエ)・乙(キノト)に当てる。ごぎょう(五行)、じっかん(十干)。- 許慎『説文解字』:木冒也、冒地而生也:木は冒(ボウ)なり、地を冒(オカ)して生(ショウ)ずるなり。
- [暦]木曜日の略称。
もくようび(木曜日)- [国][建]もく(杢)
木の用法:五味
五味【ごみ】とは、中国における五つの味。舌で感じる食べ物の味の種類。五行に通ずる。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
---|---|---|---|---|---|
五味 | 酸 | 苦 | 甘 | 辛 | 鹹 |
意味 | 酸味 | 苦味 | 甘味 | 辛味 | 塩味 |
木の用法:五経
五経【ごけい】とは、《中国》儒教において重要視される五種の経典資料。失われたとされる音楽経典の「楽」を含めた場合には六経(りっけい)とされる。五行に通ずる。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
---|---|---|---|---|---|
五経 | 詩 (詩経) |
礼 (士礼/礼記) |
春秋 | 書 | 易 |
内容 | 漢詩 | 作法 | 歴史 | 政治史 | 占術 |
木の用法:八音
八音【はちおん】とは、中国古来における楽器の種別。素材を基に体系づけられており、全ての楽器は八種の素材から成ると考えられてきた。
八音 | 素材 | 楽器 |
---|---|---|
金 | 金属 | 銅鑼(ドラ)・鈴 |
石 | 石 | 石琴・編磬 |
糸 | 絹糸 | 琴・箏 |
竹 | 竹 | 竹笛・洞簫 |
匏 | 瓜・ひょうたん | 笙・竽(ウ) |
土 | 土・陶器 | 土笛・塤(シュン) |
革 | 動物の皮・革 | 鼓・建鼓 |
木 | 木 | 木琴・拍板 |
木の用法:五方
五方【ごほう】とは、五つの方角。東西南北の方位に中央が加わる。五行に通ずる。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
---|---|---|---|---|---|
五方 | 東 | 南 | 中央(央) | 西 | 北 |
木の用法:五徳
五徳【ごとく】とは、儒教で重要視される道徳意識。「仁義礼智信」とも。五徳を持つことで人間関係を円滑化できるという教え。日本の飛鳥時代に制定された冠位十二階(徳・仁・礼・信・義・智)に影響を与えたとされる。五常とも。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
---|---|---|---|---|---|
五徳 | 仁 | 礼 | 信 | 義 | 智 |
木の用法:五臓六腑
五臓六腑【ごぞうろっぷ】とは、人間の内臓の総称。東洋医学を基に分類した人体の働きや機能。六腑の三焦を除外して「五腑」とする場合もある。五行に通ずる。
五行 | 五臓 | 六腑 |
---|---|---|
木 | 肝 (肝臓) |
膽 (胆嚢) |
火 (君火) |
心 (心臓) |
小腸 |
土 | 脾 (脾臓) |
胃 |
金 | 肺 | 大腸 |
水 | 腎 (腎臓) |
膀胱 |
火 (相火) |
《心包》 | 三焦 |
木の用法:五官・五感
五官・五感【ごかん】とは、外界から受け取った刺激を感知するための五つの感覚器官、および五つの感覚意識。五行に通ずる。実生活における感覚から「舌」の代わりに「皮膚/皮」や「眉」、「心」を五官とする場合もある。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 | |
---|---|---|---|---|---|---|
五官 | 感覚器官 | 目 | 舌(身) | 口 | 鼻 | 耳 |
五感 | 感覚意識 | 視覚 | 触覚 | 味覚 | 嗅覚 | 聴覚 |
木の用法:五行
五行【ごぎょう】とは、古代中国の自然哲学の思想。万物は五種の素(元素)から成り立つという考え。人々の思想や生活に多大な影響を与えた。
五行 | 木行 | 火行 | 土行 | 金行 | 水行 |
---|---|---|---|---|---|
元素 | 木 モク |
火 カ |
土 ド |
金 ゴン |
水 スイ |
木の用法:五声・五聲
五声・五聲【ごせい】とは、古代中国の音楽で使われる五つの音の高さ/音階。現代では五音(ごいん・ごおん)としても用いられる。五行に通ずる。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
---|---|---|---|---|---|
五声 | 角 | 徴 | 宮 | 商 | 羽 |
木の用法:十干
十干【じっかん】とは、十二支と共に使われた古代中国の暦法。時代と共に陰陽五行思想と結びつき、角度・順序・方位も表すようになった。現代日本では契約書などで双方を表す際、「甲」「乙」と呼ぶことで使われている。十天干(じっかんてん)とも。
五行 | 陰陽 | |
---|---|---|
陽 | 陰 | |
木 | 甲 コウ きのえ |
乙 オツ きのと |
火 | 丙 ヘイ ひのえ |
丁 テイ ひのと |
土 | 戊 ボ つちのえ |
己 キ つちのと |
金 | 庚 コウ かのえ |
辛 シン かのと |
水 | 壬 ジン みずのえ |
癸 キ みずのと |
木の用法:七曜
七曜【しちよう】とは、太陽・月・五星から成る系を七曜星、それを暦の週日に配したものが七曜日。明治初期に太陽暦と共に「曜日」として日本に普及した。
七曜星 | 七曜日 | 略字 | |
---|---|---|---|
太陽 | 日曜 | 日 | |
月 | 月曜 | 月 | |
五星 | 火星 | 火曜 | 火 |
水星 | 水曜 | 水 | |
木星 | 木曜 | 木 | |
金星 | 金曜 | 金 | |
土星 | 土曜 | 土 |
熟語
四字熟語
「木」の漢字を語中にもつ四字熟語15種を表にまとめる。
悪木盗泉 | 縁木求魚 | 円木警枕 |
尭鼓舜木 | 禽獣草木 | 剛毅木訥 |
山川草木 | 三草二木 | 入木三分 |
草根木皮 | 端木辞金 | 竹頭木屑 |
土木壮麗 | 盲亀浮木 | 良禽択木 |
木【もく】
き(木・樹)。
[暦]五行の第一。
方位では東、四季では春、色では青、五星では木星に当てる。
木場【きば】
[Romaji]kiba/Kiba
材木を貯えておく場所。貯木場(チョボクジョウ)。かくのり(角乗り、角乗)。
木田【きた】
[Romaji]Kita
きたぐん(木田郡)
。
杷木【はき】
[Romaji]Haki
[古]はきまち(杷木町)。
木目【きめ】
[建]もくめ(木目、杢目)
。
文字コード
「木」の漢字をコンピュータで取り扱うために策定された各文字規格を紹介する
Unicode 1 | U+6728 |
---|---|
JISX0213 | 1-44-58 |
戸籍統一文字番号 2 | 162290 |
住基ネット統一文字 | J+6728 |
文字ごとに採番された各種コードは、互いに異なる識別番号を持ち、管轄業務を担う省庁/団体/組織によって各用途ごとに管理されている。
検字番号
検字番号とは、各出版社が刊行した漢字辞典/漢和辞典に記載されている検索字を効率よく探すための識別コードである。
書籍 | 出版社 | 検字番号 |
---|---|---|
角川大字源3 | 角川書店 | 4020 |
新大字典4 | 講談社 | 6705 |
新潮日本語漢字辞典5 | 新潮社 | 4800 |
大漢和辞典6 7 | 大修館書店 | 14415 |
大漢語林8 | 大修館書店 | 4889 |
辞書の巻頭や巻末、別巻などに記載された検字番号を用いることで、漢字の掲載ページ・掲載位置を容易に特定することができる。
国語施策
第1学年の配当漢字として公示される。
第1学年の配当漢字として公示される。
第1学年の配当漢字として公示される。
まとめ
「木」の画数・部首・書き順・読み方・意味について、もう一度おさらいする。
- 木の画数 :4画
- 木の部首 : 木
- 木の読み方:モク・ボク・こ・き
- 木の意味 :き/立木の総称
ウサタロー