散とは、ちる/ちらす/細かく離れる/ちりぢりになるなどの意味をもつ漢字。12画の画数をもち、攴部に分類される。日本では教育漢字、常用漢字に定められており、小学校4年生修了レベルの漢字とされる。
字体 | 散 | |
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読み | 音読み | サン |
訓読み | ち(らかす) ち(らかる) ち(らす) ち(る) 《外》ばら |
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部首 | 攴部 | |
画数 | 総画数 | 12画 |
部首内画数 | 攴部8画 | |
国語施策 | 教育漢字・常用漢字 | |
JIS漢字水準 | JIS第1水準 | |
漢字検定 | 漢検7級 | |
日本語能力検定 | JLPT N3 |
書き方・読み方
書き方
読み方
『散』の字には少なくとも、散・ 散・ 散る・ 散らす・ 散らかる・ 散らかすの6種の読み方が存在する。
意味
- ちる。ちらす。細かく離れる。ちりぢりになる。対義語:集「散逸(さんいつ)・散開・散会・散見・散華(さんげ)・散在・散失・散兵・散乱・雲散・解散・四散・分散・発散・退散・降散・逃散(ちょうさん)・発散・離散」
- とりとめのない。でたらめである。ばらばら。「散文・散漫・胡散(うさん)」
- 無駄(むだ)。暇である。「閑散」
- 特定のきまりにあてはまらない。「散位(さんい)・散官・散職・散文」
- 自由気まま。ぶらぶらする。「散人・散策・散歩」
- 粉末状の薬。粉薬。「散薬・胃散・屠蘇散(とそさん)」
- ばらまく。撒の代用字。「散布・散水」
- 小さく切ったもの。霰の代用字。「散弾」
- 《仏教》心が乱れて動く状態。対義語:定「散心・定散(じょうさん)」
- 散【さん】
-
- (ばらばらに)ちること・ちらばること・(かたまりを)ちらすこと・ちらかること・ちらかすこと。
- 解散、離散、散乱、発散、散発、分散、散財
- とりとめのないさま・ほしいままできまりのないさま・気まま。ぶらぶらしているさま・ひま。
- 散文、散漫、散歩、閑散
- [仏]精神統一がなされず、あれこれと揺れ動く、通常の心の在り方。
⇔定(ジヨウ)。- 散心、定散二心
- [接尾辞][薬]漢方薬で「固まっていない粉薬(コナグスリ)」を表す語形成要素。
「散薬(サンヤク)」とも呼ぶ。
参考たん(丹)、とう(湯)、やくほうし(薬包紙)- 胃散、屠蘇散(トソサン)
- [接頭辞]位階を表す名詞の上に付いて、位だけがあって官職のないことを表す言葉。
- 散一位、散位(サンニ、サンイ)、散位寮(サンニリョウ)
散の用法:片仮名
片仮名【かたかな】とは、カタカナの由来・起源となった漢字。漢字を早く小さく書くために片仮名が生まれた。
行/段 | ア段 | イ段 | ウ段 | エ段 | オ段 |
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ア行 | 阿 | 伊 | 宇 | 江 | 於 |
カ行 | 加 | 機 | 久 | 介 | 己 |
サ行 | 散 | 之 | 須 | 世 | 曽 |
タ行 | 多 | 千 | 川 | 天 | 止 |
ナ行 | 奈 | 仁 | 奴 | 祢 | 乃 |
ハ行 | 八 | 比 | 不 | 部 | 保 |
マ行 | 末 | 三 | 牟 | 女 | 毛 |
ヤ行 | 也 | 由 | 譽 | ||
ラ行 | 良 | 利 | 流 | 礼 | 呂 |
ワ行 | 和 | 井 | 恵 | 乎 | |
尓 |
熟語
四字熟語
「散」の漢字を語中にもつ四字熟語7種を表にまとめる。
雲散霧消 | 聚散十春 | 星離雨散 |
粟散辺地 | 粟散辺土 | 保養鬱散 |
離合集散 |
散【さん】
(ばらばらに)ちること・ちらばること・(かたまりを)ちらすこと・ちらかること・ちらかすこと。
解散、離散、散乱、発散、散発、分散、散財
とりとめのないさま・ほしいままできまりのないさま・気まま。ぶらぶらしているさま・ひま。
散華【さんげ】
[仏]仏の供養のために花を撒(マ)き散(チ)らすこと。
[仏]声明の曲名。
四箇法要(シカホウヨウ)・二箇法要(ニカホウヨウ)の中の一つ。
散事【さんじ】
律令制の後宮十二司などに仕える婦人で、女孺(ニョジュ)・采女(ウネメ)などの称。
地方の国衙・郡衙の下役人。
郡散事
位階のみあって官職のない女官。
散瞳【さんどう】
[医]瞳孔(ドウコウ)が径4ミリメートル以上に開くこと。また、開いた状態。
正常な眼では生理的反射によって当る光が弱まって起きたり、驚き・痛みなどの刺激でも起きる。
粟散【ぞくさん】
[仏]粟粒(アワツブ)を散らしたようにこまかく散ること。
[仏]こまかく点在する小国。
ぞくさんこく(粟散国)
粟散王、粟散辺地、粟散辺州、粟散辺土
古くは「そくさん(粟散)」。
文字コード
「散」の漢字をコンピュータで取り扱うために策定された各文字規格を紹介する
Unicode 1 | U+6563 |
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JISX0213 | 1-27-22 |
戸籍統一文字番号 2 | 148570 |
住基ネット統一文字 | J+6563 |
文字ごとに採番された各種コードは、互いに異なる識別番号を持ち、管轄業務を担う省庁/団体/組織によって各用途ごとに管理されている。
検字番号
検字番号とは、各出版社が刊行した漢字辞典/漢和辞典に記載されている検索字を効率よく探すための識別コードである。
書籍 | 出版社 | 検字番号 |
---|---|---|
角川大字源3 | 角川書店 | 3690 |
新大字典4 | 講談社 | 6155 |
新潮日本語漢字辞典5 | 新潮社 | 4413 |
大漢和辞典6 7 | 大修館書店 | 13265 |
大漢語林8 | 大修館書店 | 4313 |
辞書の巻頭や巻末、別巻などに記載された検字番号を用いることで、漢字の掲載ページ・掲載位置を容易に特定することができる。
国語施策
第4学年の配当漢字として公示される。
第4学年の配当漢字として公示される。
第4学年の配当漢字として公示される。
まとめ
「散」の画数・部首・書き順・読み方・意味について、もう一度おさらいする。
- 散の画数 :12画
- 散の部首 : 攴
- 散の読み方:サン・ばら・ちる・ちらす・ちらかる・ちらかす
- 散の意味 :ちる/ちらす/細かく離れる/ちりぢりになる
ウサタロー